「令和6年度 熊本県公立高校入試 後期選抜」がんばれ!受験生!
いよいよ最後の本番!「公立高校入試 後期選抜」
2月21日(水),令和6年度の熊本県公立高校入試後期選抜の出願変更が締め切られ,今年の出願倍率が確定しました。
これまでの3年間,新型コロナウイルス感染症の流行による入試日程変更などがありましたが,今年は3月5日,6日の2日間にわたり公立高校入試の後期選抜が実施されます。
受験生の皆さん!(まだ少し早いかもしれませんが)これまでの受験勉強,本当にお疲れ様でした。いよいよ最後の正念場! 皆さんがこれまで努力してきた成果を存分に発揮できることを願っています。
※熊本の公立高校入試の場合,「学力検査問題」を受けるため「受検」と表記します。「入学試験問題」を解く私立高校の「受験」とは区別されています。
では,まず今年の出願状況について見てみましょう。
まずは普通科系の学科・コースを持つ高校の出願倍率についてです(競争倍率が1倍を超えた高校のみ掲載しています)。
昨年までトップだった第一高校に代わり,今年トップとなったのは熊本市立の必由館高校でした。2.24倍という倍率は,大学入試並みの高い競争倍率ですが,その背景として,学科再編による募集定員の減少(前年度360名から305名へ)と前期選抜の内定者増(前年度60名から152名へ)により,後期選抜の募集人員が前年度の300名から153名へとほぼ半減したことが挙げられます。
昨年トップだった第一高校は,今年も1.87倍と高い競争倍率となりました。熊本市の中心部にあり,バスターミナルに近く,市電沿線に立地するという地理的要因も合わせ,熊本市内だけではなく,遠方からであっても通学の便が良いというメリットがあります。学区外からの出願数が78名というところにもそれが現れています。
そして,学区外の出願者数が101名と,第一高校より多かったのが済々黌高校です。昨年は競争倍率1.33倍と,近年では最も低い倍率となりましたが,今年は1.65倍と復活しています。
ここまでで今年の高校入試の傾向について整理してみます。
今年の熊本県公立高校入試後期選抜の出願者数は,熊本県全体で7761名と前年より222名減少しています。熊本県全体の中学3年生の人数が前年より158名ほど少ないため,後期選抜の出願者数が減ること自体は十分考えられることなのですが,実業系を除く熊本市内の県立高校だけで見た場合,出願者数は前年より22名増え,学区外からの出願者数は前年の286名から324名へと38名増えています。
続いて,実業系の学科・コースを持つ高校の出願倍率についてです(競争倍率が1倍を超えた高校のみ掲載しています)。
こちらもトップは熊本市立の千原台高校で2.08倍,続いて熊本商業の1.91倍となりました。
千原台高校については,必由館高校同様,昨年学科再編が行われ募集定員が160名と少なくなり,なおかつ前期選抜の内定者が100名いるため,後期選抜の募集人員が60名となっていることが影響しています。
実業系の高校においても,大津町にある翔陽高校を除いてはすべて熊本市内にあり,熊本市内の高校への集中が顕著になっていると言えます。
令和5年度の公立高校入試後期選抜では,出願変更締め切りの時点で競争倍率1倍を超えている学校数は,熊本市内で12校,熊本市外で6校ありました。それが今年は熊本市内で11校,熊本市外では八代高校と翔陽高校の2校だけになっています。もともと熊本では公立高校志向が非常に強く,私立高校は滑り止めと考えられていた時代もありました。しかし近年は,私立高校の人気が高まり,合格後の入学を条件とする「専願入試」で受験する生徒も増えてきています。確かに,今年に限って言えば私立高校全体の受験者数は前年より減っていますが,2月に実施される私立高校の一般入試は年々厳しくなってきています。時には実質倍率4~5倍ほどになる高校もあり,もはや「一般入試」という感覚ではお勧めできない結果になっています。来年受験を迎える中学2年生の皆さんは,早めに進路に関する情報を収集し,私立高校が第一志望の場合,1月に実施される「専願入試」を上手に活用するのがお勧めです。
さて,今年の公立高校入試に話を戻します。競争倍率が高くなるととても不安に感じるという人も多いと思います。ただし,ほとんどの場合,合格に必要な得点が急激に上がるということはありません。大切なことは本番で「自分ができるベストを尽くす」ことです。受験生の皆さんにとって「入試」というのは確かに一大イベントですが,あくまでも通過点にすぎません。高校進学の先には大学や就職といった,もっと将来の自分の人生に直結する大きなイベントが控えています。後期選抜本番まで残された時間はわずかかもしれませんが,「日々,自分が今できるベスト」を尽くしましょう。皆さんに最高の結果が訪れることを願っています。