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熊本の将来と熊本の子どもたちのこれから

お知らせ 2024.04.09

熊本の将来と熊本の子どもたちのこれから


最近,テレビやネットのニュースを見ていると,台湾の半導体企業,台湾積体電路製造(TSMC)の進出により,熊本ではバブル景気のような賑わいになっているという記事を多く見かけます。第1工場が建設された菊陽町や隣接する大津町では地価が高騰し,前年と比較した全用途の平均上昇率で大津町が全国市町村の中のトップとなり,個別の商業地の平均上昇率では大津町が全国1位,菊陽町が2位となりました。半導体関連の企業はもちろんのこと,建設業や飲食店,そして台湾をはじめとする外国人観光客が増えたことにより,観光業も大きな賑わいを見せているようです。でも,こうしたバブルとでもいうべき賑わいを,今ひとつ実感できていないという人も多いのではないでしょうか? 「熊本全体がバブルのようにニュースでは言っているけど,限られた地域や業種がにぎわっているだけで,自分の周りは…」と冷めた目で見ている人も少なくないでしょう。
冒頭から話がそれてしまったかもしれないので,本題に入ります。2023年12月,厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所が,2050年の将来推計人口を発表しました。2008年にピーク〔1億2808万人〕となった日本の人口は,少子高齢化の進行とともに2011年から減少に転じ,2024年3月1日時点では1億2397万人と,この15年で400万人近く減少しています。これは熊本においても同様で,今後もこの傾向が続くとした場合,2024年3月1日時点で170万2858人であった熊本県の人口は,2050年には135万5329人になると推計されています。65歳以上の高齢者の割合はますます高くなり,2020年時点で31.8%だったのが2050年には38.8%となる予想です(そのころには高齢者の対象年齢も変更〔引き上げ〕されているかもしれませんが…)。菊陽町,大津町,合志市を除き,熊本市を含む県内の市町村では人口が減少し,その8割の市町村では高齢者の割合が40%を超えると推計されています。こうした傾向が進むことで,社会全体にどのような影響を及ぼすのでしょうか?まず,単純に人口が減少することで,国内の市場規模が縮小することが考えられます。さらに,労働人口〔15歳~65歳の人口〕が減少することは,企業の生産性の低下につながります。そして,これらによって,日本の経済規模全体が縮小すると考えられます。当然,国の税収も減ることになります。一方,高齢者の割合が高まることで,医療費や年金といった社会保障にかかる費用は増えていくと予想されます。この社会保障にかかる費用は,現在働いている人たちが納めている社会保険料でまかなわれています。つまり,増大した社会保障費をまかなうためには,働いている人たち一人当たりが負担する社会保険料をもっと増やさなければならないということになります。もちろん,税収が減るのは国だけではなく,都道府県や市町村も含まれます。人口が大きく減少する地域では,すでに小中学校の統廃合やバス路線の廃止,運行本数の減少といった影響も出始めています。挙げていくと切りがありませんのでこの辺で終わりますが,国全体をあげて本気で取り組まなければならない状況に来ているということです。

さて,この問題に対処するため,国や自治体が様々な施策を行っています。そして,その中で最も現実的で即効性があると考えられているのが,外国人の積極的な受け入れです。少子化の影響で不足する労働人口を,海外から受け入れることでバランスをとろうという考えです。これまでの日本では,一部の観光地や都市部を除き,外国人の受け入れについてはどちらかと言えば消極的でした。言葉や宗教,文化の違いといった問題があるからでしょう。しかし,先ほども述べたように,ここ10年で状況は大きく変わりました。熊本においても,2016年の熊本地震以降,外国人労働者の受け入れが急速に進みました。2023年10月末時点で,熊本県内で働く外国人は1万8226人と,前年より3704人増え,増加率も25.5%と全国平均の倍以上となっています。そして,今年に入ってTSMCの第1工場が開業,さらには第2工場の建設も予定されています。また,他にも半導体を中心に多くの企業が熊本に事業所や工場の建設を予定していることもあり,台湾をはじめとした海外からの移住者はますます増えていくと考えられます。

 

熊本の教育のこれから


熊本の教育の現場においても,こうした社会状況の変化に対応する大きな動きが起こっています。熊本インターナショナルスクール(熊本市東区)が台湾をはじめとした生徒受け入れのための定員を増やしたほか,九州ルーテル学院でもインターナショナルスクール小学部を開校しました。また,熊本大学教育学部附属中学校・小学校では,2026年度より国際クラスを設置することが検討されています。これ以外にも,熊本市や菊陽町の公立小学校,中学校において,外国人の子女を対象とした日本語指導のクラスが設置されるなど,受け入れ体制の拡充が進められています。以前は,グローバル化と言えば,東京のような都市部でおこっている現象のように思われていましたが,すでに熊本も完全にその波の中に入っているといっても過言ではないでしょう。

では,熊本の将来を担う子どもたちに求められるのはどんな力なのでしょうか? 文部科学省は,現行の学習指導要領の中で「知識・技能」「思考力・判断力・表現力等」「学びに向かう力・人間性等」を3つの柱として挙げています。「知識・技能」とは,教科的な知識や技能だけでなく,グローバル社会において必要とされる,文化や歴史,地理などに関する国際的な知識やそれを理解する能力,情報社会において,情報を収集し,その信憑性を正しく判断し利用する能力なども含まれます。「思考力・判断力・表現力等」では,未知の状況に直面した際にも対応できる問題解決能力や批判的思考力,創造力,コミュニケーション能力,表現力などを育成することが目標とされています。「学びに向かう力・人間性等」では,主体的な学習や自己表現力,協働力,感性や思いやりなどが重視され,多様な価値観を尊重し,自分と他者や社会とのかかわりについて理解する力をつけることが目標とされています。情報化,グローバル化が進む社会において,自分とは異なる文化や考えを持つ人たちも理解,尊重したうえでコミュニケーションをとり,自分の考えをしっかりと伝え,協力していくことができる。こうした「生きる力」を身につけることが目標とされているのです。

 

熊ゼミのこれから


熊本ゼミナールでは,これまで述べたような社会の変化に対応し,子どもたちの可能性をさらに伸ばすための取り組み『くまもと次世代応援プロジェクト』を,この4月よりスタートしました。子どもたちの興味・関心を引くベネッセの教材を使ったオールイングリッシュレッスンが特長の『ベネッセの英語教室BE studio』。アニメーションによる導入とストーリーとともに展開される算数の問題で,頭の中でイメージしながら考えるトレーニングを積む『玉井式国語的算数教室』。中学・高校入試でも必ず出題される図形に特化した進級式のテキストと,アニメーションによる解説,AR,AIを組み合わせたタブレット学習が特長で,数学大国のインドの国私立学校でも導入されている『玉井式図形の極AAA+』。子どもたちの思考力,表現力を伸ばすこれらの能力開発コースを,できるだけ多くの子どもたちに知っていただき,将来に役立つ力をつけるために役立ててほしい。そのための取り組みになります。詳しくは『くまもと次世代応援プロジェクト』のページで説明していますので,そちらをご覧ください。

最後に,中学受験をお考えのご家庭に向けた情報をひとつご紹介します。熊本ゼミナールでは,熊本日日新聞社との共催で,6月16日(日),グランメッセ熊本において『私立中学入試説明会』を開催します。県内の全私立中学8校の協力のもと,各校の先生方から直接説明を聞くことができる説明会です。4月23日ごろには,こちらのページからご案内,お申し込みができるよう準備していますので,いましばらくお待ちください。

お電話でのお問合せ TEL.096-360-6111 受付時間 10:00〜18:00
月曜〜土曜

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